幻の屋久島巨大杉探索プロジェクト Side-B

N7″ミレニアム・クィーン” 測量中。

 探索中は,奥深い屋久島の原生林での遭難防止のため,スズランテープを伸ばしながら進んだ。伸ばすのはよいのだが,回収が大変。BC撤収時には,2度の荷揚げで運んだ装備を1度でおろすため,”ダブルザック”の状態で下山する隊員も。

 また,隊員間の連絡には5Wの出力が可能なアマチュア無線を免許を所持している隊員が使用した。外部との緊急時の連絡用に,日本イリジウム社より衛星携帯電話を借りた。

 現在でこそ野外活動では一般的となったGPSを,正確な現在地の把握のためにいち早く導入。ただし,当時は, GPS信号のSA(Selective Availability)の解除前であったため,GPSの測位結果には最大で100m近い誤差が意図的に含まれていた(隣の尾根にいることになっているような誤差はざらであった)。その上,原生林の中では衛星信号の補足状態も悪いため,コンパスを用いて判断した現在地とGPSが示す現在地を常に比較しながら正確な位置を判断していた。

BC撤収

 Little JACK の綿密な計画に基づいて行動していたため,隊員全員が集まる機会はほぼなく,全員集合して写真を撮ったのはBC撤収時のみである。

 ”ラジオを聴いて天気図を描き天気を予想する”ことは野外活動においては当然の技術であり,夕方16時からの気象通報を聴きながら屋久島でも天気を判断していた。今では,インターネットの普及等により容易に天気図が手に入るようになったため,ラジオでの気象通報は1日1回となってしまったのは非常に残念である。


♪ 過ぎゆく季節は誰にも止められない
最後の夏にあなたと過ごした
あの海へ今帰りたい
...
幾つの夏を二人ではしゃいだ
青春はもう帰らない
溶けてく夕日が
波間に光ってきらめく
(あの海へ今帰りたい -a cote de la mar- / Takako Okamura)

 活動を終え,東京へ。飛行機で帰る者もいれば,再びすし詰め状態のスカイラインで高速を安全運転で帰る者も。


 部室やミーティングスペースを使っての連日の会議。出発が近づくにつれて,レーションパックや乾電池の仕分けなど,対原生林踏破システム”Little JACK”をスムーズに実行させるため,緻密な準備に追われた。